attach

使い方: docker attach [オプション] コンテナ

実行中のコンテナにアタッチする

  --detach-keys="<sequence>"       エスケープ・キー・シーケンスを設定
  --help                           使い方の表示
  --no-stdin                       STDIN(標準入力)にアタッチしない
  --sig-proxy=true                 受信したシグナルをプロセスに全てプロキシする

docker attach コマンドは、コンテナ ID や名前を使って実行中のコンテナにアタッチ(attach;装着/取り付けの意味)します。処理中の出力を表示するだけでなく、インタラクティブ(双方向)の管理もできます。同じコンテナ化されたプロセスに対して、画面を共有する形式として擬似的に複数回のアタッチが可能ですし、デタッチ(detach;分離の意味)したプロセスも迅速に表示できます。

コンテナを停止するには、 CTRL-c を使います。このキー・シーケンスはコンテナに対して SIGKILL を送信します。もしも --sig-proxy が true であれば(デフォルト)、 CTRL-c はコンテナに対して SIGINT を送信します。 CTRL-p CTRL-q キー・シーケンスを使えば、実行中のコンテナからデタッチして離れられます。

注釈

コンテナ内で PID 1 として実行しているプロセスは、Linux では特別な扱いがされます。通常の操作では、あらゆるシグナルを無視します。そのため、特別にコード化しない限り、プロセスを SIGINTSIGTERM では停止できません。

tty を有効化したコンテナにアタッチした状態(例: -t を使って起動)では、docker attach コマンドを使った標準入力のリダイレクトは禁止されています。

デタッチ・シーケンスの上書き

必要であれば、デタッチ用の Docker キー・シーケンスの設定を上書きできます。Docker デフォルトのキー・シーケンスが他のアプリケーションと重複している場合に役立ちます。デタッチ用キー・シーケンスを指定するには、2つの方法があります。1つはコンテナごとに設定するか、あるいは全体に対してのプロパティを設定します。

個々のコンテナに対するシーケンスを上書きするには、 docker attach コマンドに --detach-keys="<シーケンス>" を指定します。 <シーケンス> の書式は、 [a-Z] までの文字を使うか、 ctrl- と次の項目を組み合わせます。

  • a-z (小文字のアルファベット文字列)
  • @ (アット記号)
  • [ (左かっこ)
  • \\ (2つのバックスラッシュ)
  • _ (アンダースコア)
  • ^ (キャレット)

例えば、 actrl-axctrl-\\ は、いずれも有効なキー・シーケンスです。全てのコンテナに対する異なったキー・シーケンスを設定するには、 設定ファイル のセクションをご覧ください。

$ docker run -d --name topdemo ubuntu /usr/bin/top -b
$ docker attach topdemo
top - 02:05:52 up  3:05,  0 users,  load average: 0.01, 0.02, 0.05
Tasks:   1 total,   1 running,   0 sleeping,   0 stopped,   0 zombie
Cpu(s):  0.1%us,  0.2%sy,  0.0%ni, 99.7%id,  0.0%wa,  0.0%hi,  0.0%si,  0.0%st
Mem:    373572k total,   355560k used,    18012k free,    27872k buffers
Swap:   786428k total,        0k used,   786428k free,   221740k cached

PID USER      PR  NI  VIRT  RES  SHR S %CPU %MEM    TIME+  COMMAND
 1 root      20   0 17200 1116  912 R    0  0.3   0:00.03 top

 top - 02:05:55 up  3:05,  0 users,  load average: 0.01, 0.02, 0.05
 Tasks:   1 total,   1 running,   0 sleeping,   0 stopped,   0 zombie
 Cpu(s):  0.0%us,  0.2%sy,  0.0%ni, 99.8%id,  0.0%wa,  0.0%hi,  0.0%si,  0.0%st
 Mem:    373572k total,   355244k used,    18328k free,    27872k buffers
 Swap:   786428k total,        0k used,   786428k free,   221776k cached

   PID USER      PR  NI  VIRT  RES  SHR S %CPU %MEM    TIME+  COMMAND
       1 root      20   0 17208 1144  932 R    0  0.3   0:00.03 top


 top - 02:05:58 up  3:06,  0 users,  load average: 0.01, 0.02, 0.05
 Tasks:   1 total,   1 running,   0 sleeping,   0 stopped,   0 zombie
 Cpu(s):  0.2%us,  0.3%sy,  0.0%ni, 99.5%id,  0.0%wa,  0.0%hi,  0.0%si,  0.0%st
 Mem:    373572k total,   355780k used,    17792k free,    27880k buffers
 Swap:   786428k total,        0k used,   786428k free,   221776k cached

 PID USER      PR  NI  VIRT  RES  SHR S %CPU %MEM    TIME+  COMMAND
      1 root      20   0 17208 1144  932 R    0  0.3   0:00.03 top
^C$
$ echo $?
0
$ docker ps -a | grep topdemo
7998ac8581f9        ubuntu:14.04        "/usr/bin/top -b"   38 seconds ago      Exited (0) 21 seconds ago                          topdemo

次の2つめの例は、 docker attach コマンドで処理された終了コードが、 bash プロセスに戻ってきても使えることが分かります。

$ docker run --name test -d -it debian
275c44472aebd77c926d4527885bb09f2f6db21d878c75f0a1c212c03d3bcfab
$ docker attach test
$$ exit 13
exit
$ echo $?
13
$ docker ps -a | grep test
275c44472aeb        debian:7            "/bin/bash"         26 seconds ago      Exited (13) 17 seconds ago                         test